公益社団法人 日本スカッシュ協会

トップ選手紹介ナショナルチーム

2023.10.05

<第19回アジア競技大会・中国(杭州)Day13> 

大会も残り2日、日本のエースが決勝進出をかけて挑みました。
女子個人戦・準決勝、相手はSivasangari Subramaniam(MAS)。
ジュニア世代の時から大舞台にはいつも彼女の存在がありました。
スタートから持ち味のドライブで押し込みたい渡邉と、それをショットクオリティでかわし渡邉の前のスペースを取りたいSivasangariの主導権争いとなります。
双方、重圧のかかる大舞台なのに身体のリアクションは本当に女子の試合か?と思うほどハイスピードのピックアップを連発し、会場内からもラリー中なのに歓声が上がるほどでした。
そんな中、Sivasangariが渡邉のお株を奪うような溜めの効いたクロスドロップが効果的に決まり1ゲーム目を先取されます。
何とか流れを変えたい2ゲーム目。
ドライブのショットクオリティを上げてポジションを取りたいところですが、今日のSivasangariはショットクオリティも抜群でそれをさせてくれません。
ドライブにロブを織り交ぜ緩急をつけて揺さぶりをかけますが、それをタイトなストレートと溜めの効いたショートクロスでものともしなかったSivasangariは本当に強かったです。
それにより徐々にミスも出始めてしまったことでこのゲームも8-11で落とすと流れは一気にSivasangariへ。
3ゲーム目、序盤から一気に連続得点でリードを許す展開となり、得点が止まったのは1-9。
渡邉がミスで失点している訳ではなくラリーの末に決め切られるという展開で一気に9連続得点したのはちょっと想定の範囲外の展開でした。
そこから相手のミスもあり4-10まで行きますが、最後は振り切られる形で準決勝敗退となりました。
渡邉本人も優勝を目標に挑んだ個人戦でしたからこの結果は納得のいくものではないと思いますが、それでも日本スカッシュ史上初の個人戦のメダル獲得ですから誇れるべき結果だったと思うので胸を張って帰国してほしいと思います。
これにより日本チームの杭州アジア競技大会は全試合終了となりました。
獲得メダル数は全5種目で女子個人の銅メダル1つのみと前回大会と同様の獲得数でしたが、全種目でメダル獲得を目標に挑んだ今大会でしたから両手を振って喜ぶより、色々と考え込む気持ちが正直なところです。
大会を振返って思うことの一番に来るのが、3年後の愛知名古屋アジア競技大会へどうやってアプローチし強化方針を決定していくか。
そして、それを明確に実行できる環境を構築できるかということでした。
団体戦は男女とも上位チームの牙城を長年にわたり脅かせていませんし、韓国にも競り負けているのでそこも警戒しないといけません。
また、新種目のミックスダブルスも日本にほぼコートが皆無であったり大会環境も無いため強化は安易なものではないですが、他国もまだまだ手探りな部分が多いので大いにチャンスがあると思うので今後の強化対象になることは間違いないと感じました。
チームというものは生き物ですから、今いる選手達を主軸に新しい力が上を脅かす状況、そしてその席を奪うことでより強いチームとして生まれ変わるモノだと思います。
残された時間はあっという間に過ぎていくでしょうが、3年後にここからの3年間の努力が報われる日を信じて明日からスタートしたいと思います。
監督 松本淳

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