公益社団法人 日本スカッシュ協会

ニュース

2023.06.16

ナショナルチーム

<WORLD CUP2023大会レポート② 大会1日目> 

▼結果
[3] Japan 3-1 South Africa [7]
Tomotaka Endo beat Jean-Pierre Brits 3-2: 7-4, 1-7, 2-7, 7-3, 7-5 (45m)
Satomi Watanabe beat Lizelle Muller 3-0: 7-2, 7-1, 7-2 (17m)
Ryunosuke Tsukue beat Dewald van Niekerk 3-1: 4-7, 7-5, 7-5, 7-3 (33m)
Akari Midorikawa lost to Hayley Ward 1-3: 7-5 5-7 1-7 2-7 (24m)
大会初日、オープニングマッチとなった南アフリカ戦からスタートし、見事初戦を勝利で飾りました!
10:30試合開始ということで昨日の練習時間より早めだったが、予想最高気温が38℃ということで、試合中にコート内の暑さがどう影響するか、そして全員が初体験の7点制マッチがどのような流れを生むのか初戦はその辺りも注目でした。
今日の出場順はM2(遠藤)➡W1(渡邉)➡M1(机)➡W2(緑川)の順番です。
(総当たりのPool戦なので全員試合します)
本当のオープニングマッチとなった遠藤選手ですが、序盤はいつもと同じようなしっかりとラリーを作ってゲームを組み立てながら相手の出方を伺うような展開で入ります。
対して南アフリカのJean-Pierre Brits選手は世界ランキング215位でベテランの選手ですが、そもそものプレースタイルなのか7点制だからなのか、低めに強いドライブを多用し、ハイペースな展開に釣り上げてきました。
コートコンディションが少しスリッピーなのもあいまって、長いドライブラリーよりも低めのドライブラリーで相手を差し込んだ事で遠藤選手が先手を取りました。
しかし、7点制は本当にスリリングなスコアリングです!
序盤の3点が本当に大切だと感じ、他の試合でも少し気を抜くとあっという間に5-0くらいまでいってしまい取り返せないような展開を目にしました。
2ゲーム目に入り、Brits選手がより展開を上げて攻撃的にフロントコートにプレッシャーをかけてきました。
このペースチェンジにより後手に回ってしまった遠藤選手が1-7でこのゲームを落とします。
ゲームは取られましたが、このとにかく先手を取ってくる展開がのちの選手達に良いヒントになりましたね。
続く3ゲームも同様の早い仕掛けに苦戦し、息も上がってしまった事で後がなくなりますが、ゲーム巧者の遠藤選手がスコアリングの流れとコートコンディションを把握し、低めの強いドライブとショートキル、タメを使ったクロスドライブでプレッシャーをかけ続けこのゲームを奪取し2-2と五分に戻します。
最終ゲームも5-5と一進一退の攻防となりコートに緊張感が漂いますが、やはり団体戦の千両役者である遠藤選手はひりつく状況下では本当に頼りになりますね。
そこからしっかりと2ラリーを制し、チームに勝点1をもたらしてくれました。
(ちなみに、7点制は6-6になった場合、タイブレークではなく1ポイント限定のラリーになる為、本当にスリリングすぎます!)
初戦から遠藤選手が接戦をものにし流れを作ってくれた中で、渡邉選手の登場となります。
男女の1番手は勝ち点が2点と大きいため、ここを勝利することで大きく勝に前進する展開になるのでチームの期待がかかりました。
第一試合の戦い方をみて、渡邉選手の得意な強打とキルショットで序盤から先手を取っていく形でガンガンに攻めていきます。
全く持ってそんなつもりはないのですが…………
3ゲーム通して20分未満の圧勝劇だったので書くことがありません(笑)
渡邉選手の強打がこのコートとスコアリングにはかなりのアドバンテージになると思うので、明日以降もチームの柱として期待したいです。
チームの勝ち点が3点になり、勝利へ王手となります。
3試合目に登場した机選手ですが、元々のプレースタイルが展開をしっかり作るプレースタイルな為、ラリーをしようとしてしまいます。
勿論、ラリーをすること自体は良い事なんですが、相手はラリーを作るよりも前の2試合の勝者と同様に低めの強打で攻め立ててきて展開どうこうより、点を取りに来ます。
この場に出てくるレベルの選手ですから、早めに仕掛けて流れを作ると入ってしまうので攻めた者勝ちみたいな流れなんだなとつくづく思いました。
机選手も2ゲーム目に入り、いつものプレーイスタイルから変更をしなくてはいけないのはかなりのストレスだったと思いますが、チームの勝利の為にアジャストしていきます。
これによりこのゲームを取り返すと、続く3ゲーム目は初の6-6から痺れる1ラリーを制し、流れのまま勝利してくれました。
これによりチームの勝ち点が5となり、勝利が確定しました。
この試合の最終戦にはチーム最年少の緑川選手が登場。
序盤から得意のショートキルを多用し、良い流れで幸先よく1ゲーム目を取ります。
しかし、2ゲーム目に入り、自分のミスからリズムを崩します。
ゲーム間に話しもし、本人も気を付けて修正をしようとしているのですが、この短期決戦では一度崩れた流れを立て直すのが本当に難しくそのまま1-3で敗戦となりました。
チームの勝ちが決まっていた状況で、どうしても気持ちのコントロールが難しい試合だったと思いますが、低めのドライブが得意な緑川選手なので、個人的にはこのスコアリングは向いていると思っているので、しっかり修正し明日以降の試合で活躍してくれると信じます。
ワールドカップ初参戦となった“TEAM JAPAN”ですが、最初にも書いた通り初戦を勝ちました。
まずセミファイナルに進むためには明日の香港戦が最初の山場になります。
初めてこのスコアリングでやってみた感じからすると、よりハイペースな展開で尚且ついかに早く流れを掴むか、そして流れを掴んだら一気に押し切るかが大事になる分、ジャイアントキリングが起こりやすいスリリングな状況ではあると思います。
1試合、1ゲームも油断できない戦いが続きますが明日も今日以上に良いプレーをしてくれると信じてますし、世界に“TEAM JAPAN”の底力を見せつけてきます!
チームマネージャー&コーチ 松本淳

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