公益社団法人 日本スカッシュ協会

ニュース

2023.06.19

ナショナルチーム

<WORLD CUP2023大会レポート⑤ 大会4日目> 

TEAM JAPAN  惜しくも3位 でした。
▼結果
[1] Egypt 4-0 [3] Japan
Karim El Hammamy beat Tomotaka Endo 3-0: 7-1, 7-6, 7-2 (21m)
Fayrouz Aboelkheir beat Satomi Watanabe 3-0: 7-5, 7-2, 7-2 (20m)
Aly Abou Eleinen beat Ryunosuke Tsukue 3-1: 6-7, 7-6, 7-5, 7-5 (36m)
Kenzy Ayman beat Akari Midorikawa 2-0: 7-3, 7-4 (07m)
今日から負けたらそこで終わりの上位トーナメントです。。
準決勝の相手は世界最強国のエジプト。
昨日の惜しかったインド戦の流れから、チャンスはあると思って挑んだ試合は世界一の国の高さを痛感させられるものでした。
昨日同様の試合順だったので日本のトップバッターは遠藤選手からでした。
スタートからテンポの速いラリーが続き、遠藤選手のポジションが上げられないくらいプレッシャーをかけられます。
要所で仕掛けるのですが、相手のディフェンス力も高く得点に繋がらずこのゲームを落とします。
2ゲーム目に入りハイリスクですが相手の前に立てる様、積極的にボレーに入ったりすることで相手のミスも誘え競りますが、最後は押し切られゲームカウント2ダウン。
何とか流れを変えたいところですが、相手のゆったりとしたテイクバックから高速のスイングで飛んでくるクロスのコースが良く、どうしてもポジションが下げられてしまい、そこからフロントコートへの絶妙なドロップで得点されてしました。
ここまで結果を出してきた遠藤選手のゲームメイクをもってしても押さえきれない相手には脱帽しかなかったです。
続く渡邉選手の試合は17歳の新鋭Fayrouz Aboelkheir選手。
17歳といっても体系は身長こそ渡邉選手に届かないものの、渡邉選手に引けを取らないくらいで、序盤からハードドライブで押し込んできます。
特にTポジション付近でのスペーシングが上手く、渡邉選手が遠く遠く動かされてしまいます。
それでも果敢にピックアップし、フォアサイドのショートキルやドロップで得点を重ねるんですが、アジア選手権から連戦を戦い抜いてきた疲れもあり身体のキレがみられません。
ドライブで抜かれるシーンやミスもあり追いかける展開で2ゲーム目に入ります。
世界ランキング最上位の渡邉選手からゲームを取ったことで、Aboelkheir選手が流れを掴みゲームを支配し始め渡邉選手が防戦にまわる展開が多くみられ、流れが止められなくなしました。
短期決戦のスコアリングシステムなだけに序盤で3点くらいリードを許すとかなり厳しくなってしまうのでそうなる前にどうにかしたいのですが、このレベルになると中々簡単にはいかないですね。
3ゲーム目もその流れを終始キープしたAboelkheir選手に押し切られる形でストレートの敗戦となりました。
この結果により、勝ち上がるには残り2試合で1ゲームも落とせない状況になります。
そんな中迎えた机選手の試合。
世界ランキング21位のAly Abou Eleinen選手に挑むことになります。
昨日のGhosal選手との試合と同等クラスのクオリティでラリーを展開しないといけない相手に対して序盤からハイペースなラリーの応酬になります。
Eleinen選手は特にバックサイドのドライブの精度が高く、そしてディフェンス能力も本当に高い選手なので得点するチャンスを作るのも積み重ねてやっとといった状況のなかフォアサイドのショートキルとカウンタードロップで得点していました。
終盤追いつかれるも辛抱強くラリーを重ねこのゲームを取り、チームの勝利を首の皮一枚繋ぎます。
続く2ゲーム目も同様の展開から相手にプレッシャーをかけミスを誘いながらリードしますがこのゲームも6-6となり、最後は机選手のボールがティンを叩きゲームを落としました。
この時点で勝敗と勝ち点・ゲームカウントでも日本がエジプトを上回ることが出来なくなったので敗戦が決まりましたが、試合は継続となりました。
3ゲーム目は机選手が積極的にドロップで仕掛けにいき得点しますが、ディフェンス力も高い相手に対しミスも出てしまい5-7で失います。
4ゲーム目、序盤から攻め立て6-4とリードを奪いますが追いつかれ、最後はバックハンドのボレーがティンを叩き惜しくも敗戦となりました。
昨日のGhosal選手戦もそうですが、世界TOP20の選手達と同等以上にラリーを展開できる実力を見せてくれたことに今後の可能性を大いに感じましたし、実際に対戦したEleinen選手からは「来シーズン彼はTOP20まで上がってくる」とコメントされるくらいでした。
この経験を元に自信をもって準備し9月のアジア競技大会でのメダル獲得を期待したいと思います。
最後にベストオブ3ゲームで行われた緑川選手の試合。
格上のKenzy Ayman選手相手にどこまで食らいついていけるかがポイントでした。
今大会、中々思ったプレーが出来ていない緑川選手ですがゲームの入りはそこまで悪くなく、ラリーは出来ていました。
しかし、地力が上回るAyman選手に徐々にプレッシャーをかけられ点数を話されてしまいます。
1ゲーム目はバックコートでプレッシャーをかけられて、ポジションが下がったところにきっちりとドロップで決められてしまい、続く2ゲーム目は逆にドライブで再度プレッシャーをかけられてミスを誘われました。
まだ、このクラスと対等に戦うにはドライブの精度もパワーも必要ですし、持ち味の機動力があってもそれだけではプレッシャーにならない相手なので学ばなくてはならない課題は多いと感じました。
昨年のアジア選手権(団体)、世界選手権(団体)、そしてこの2週間シニアでの戦い方を見てきましたが、世界を相手にシニアの舞台で結果を残していくには今まで以上の練習は必須ですが、それ以上に自分のプレーを見つめなおし、何が通用して、何が通用しないのか?をしっかりと見極めて自分が生き残っていくには何をしなくてはいけないのかを自分自身で理解する時期に来ている気はします。
アジア競技大会でメダル獲得するには緑川選手の成長が必須であると思うので、残された時間で更なるレベルアップを期待したいです。
初参加となったワールドカップですが、残念ながら結果は3位となりました。
当初のシードも3だったので最低限の結果だとは思いますが、上位も狙えただけに悔いは残ります。
それでも、選手たちはストレスも溜まる環境の中、精一杯プレーし、世界に“TEAM JAPAN”はここまでやれる!強い国になってきた!ということは示せた結果だったと思います。
また、新スコアリングシステムを経験できたことも良い経験になったと思います。
明日が大会最終日、準決勝で地元インドがマレーシアに敗れる波乱があり、決勝はエジプトVSマレーシアの対戦になりました。
日本は試合が無いですが、決勝を観戦しながらフィードバックする時間に充てたいと思います。
チームマネージャー&コーチ 松本淳

Asahi その感動を、わかちあう。
ダイナム
AGC株式会社
トレッサ横浜
PR TIMES
Admiral



※内田洋行は広告協賛です