公益社団法人 日本スカッシュ協会

ニュース

2019.05.04

ナショナルチーム

アジア選手権個人戦・大会3日目レポート 

今日はメインドローの準々決勝とプレート戦の3回戦と準々決勝が行われました。
 
<女子:Quarterfinals>
渡邉聡美【9】 lost to Low Wee Wern【4】(MAS)  2-3(11-5,11-5,1-11,8-11,8-11)
日本スカッシュ史上初のアジア選手権個人戦のメダルを狙いに行ったこの準々決勝。
相手は地元マレーシアで渡邉選手と同門のLow Wee Wern選手。(PSAランキング28位)
お互いのプレースタイルは良く分かっていたので朝の練習の際にゲームの入り方や気持ちのコントロールの話は出来ていました。
その甲斐あってか、試合開始から程よい緊張感と高い集中力を持って最高のスタートが出来たと思います。
元々渡邉選手はハードドライブで展開を早くするのがプレースタイルですが、Low選手は逆にスピードを落としてゲームをコントロールしながら高いディフェンス力を武器に一瞬のスキをついてくるスタイルなので、渡邉選手側からするとやり易い相手ではありません。
真向から力押ししていくと上手くかわされてしまうので、少しペースを落としてもきっちりとラリーをコントロールし、一瞬のスキをハイクオリティのショットで攻める展開が理想でした。
1ゲーム目でそのイメージ通りにゲームを先にコントロールし、質の高いショットで確実に得点出来ていて、まさに圧巻のゲーム内容でした。
2ゲーム目も先のゲーム同様に高い集中力と冷静なボール回しで終始ラリーをコントロール出来ており、そのいい流れに同調するが如く、神がかったショットを連発してました。
ここまではどちらが上位シードか分からないくらい圧倒的なクオリティだったのですが、こういった上手く行き過ぎてしまう絶好調の時ほど落とし穴は有ります。
3ゲーム目に入り、ゲームの展開を早くしてきたLow選手に対し、対応しようと渡邉選手も応戦して打ち始めてしまった事で徐々にショットのフィーリングがズレ始めてしまいました。
こうなってくると、そこまで最高の集中力でプレー出来ていた2ゲームとショットのフィーリングがズレたことで自分の中のリズムまでも狂い始めてしまい、立て直せないままそのセットを落とします。
4ゲーム目に入る前、もう一度その事を踏まえ、1ゲーム目の序盤と同様にバックサイドのストレートラリーをしっかり行ってから慌てずにゲームを作ろうと話し、もう一度ゲームを落ち着かせるところから行い始めました。
しかし、3ゲーム目から渡邉選手のドロップショットを完全に警戒して始めていたLow選手にフロントコートでカウンターショットを食らう事が多くなった事と徐々にミスの数が多くなり始めてしまった事でこのゲームを競り負けます。
最終セットに入り、気持ちを再度高めて序盤からメリハリのついた攻撃が嵌り、中盤まで6-2でリードする展開を作れました。
ですが、ここでも後半に行くにつれて自らのミスが多くなり、流れを相手に渡す展開になってしまいます。
要所で良いショットもあるのですが、それ以上にバックサイドのドロップに対してケアできていなかったり、ミドルコートからのドロップミスとストロークで失点を重ね逃げ切れられてしまいました。
渡邉選手と遠征に行くようになってから3年以上になりますが、1,2ゲーム目に関しては私が見た中で文句なしにベストなプレーをしていたと思います。
それだけハイクオリティなゲーム展開を作りながら勝てなかったのは本当に悔しくてたまりません。
ただ、今回の収穫としては現時点の渡邉選手の最高のパフォーマンスは間違いなく上に通用するという事です。
今回あと一歩足りなかったのは、そのパフォーマンスを意識して日常的に出せるかどうかの部分かと思います。
最大値が突発的に出せたときは勿論良いのですが、今回見たくそれが3ゲーム続くというのは集中力の持続性という意味でも相当難しと思います。
これを全体的に底上げし、ベストパフォーマンスの最大値を上げれれば、通常時とのギャップが無くなり、慌ててゲームリズムを崩すことも無いでしょうし、例えリズムを崩しても立て直しやすくなると思うので次回までにその部分の底上げに期待したいです。
 
追記
余談になりますが、フルゲームを戦ったLow選手ですが、5ゲーム中、Low選手自らのミスショットで失点した回数は6本。その内、ストロークが2本だったので実質4本しかミスってません。
いかに失点しないスカッシュがベースにあるか分かりますね。
是非、日本の若い選手達にも注目してもらいたい部分です。
 
<女子:Consolation Round3>
杉本梨沙 bt Lin Chiao Chi(TPE) 3-0(12-10,11-5,11-7)
一昨日、惜しくもメインドローで負けてしまった杉本選手はプレート戦に回りました。
アジア選手権だけでなく、東アジア選手権等でもよく対戦する台湾の選手ですが、みんな体格も良くしっかりドライブを打ってくる印象が強いです。
今回の相手もハードドライブが持ち味で、尚且つボレーをしっかりとヒットしてくる選手でした。
試合開始から終始、杉本選手押していく展開になりますが、思いのほか相手のショットが荒れて飛んでくるのと中途半端なボールが多く来るので逆にやりずらく思いのほか競ったゲームになってしまいました。
実力差があることでボールや動きのスピードに差がある場合に起こりえる状況なんですが、勝ってる側がすっきりしないラリーが多く、タイミングがズレる事でミスショットが増える傾向があります。
今回は少しペースを落とし、ショットのコースをしっかり打ち分けることで要所を締めれたので失点は多かったですがしっかり勝ち切れました。
 
<女子:Consolation  Quarterfinals >
杉本梨沙 bt Lee Yi Shyan(TPE) 3-0(11-3,11-6,11-4)
今大会初の1日2試合と、調整が難しそうな状況でしたが、直前までフィリピンの選手達と練習して体の動きも良かったです。
本来ならもう少し軽めの練習で良いと思ったのですが、スタミナにも問題なく本人がその状況が一番いいと思っての練習だったので、試合までの短い時間でしっかりと切り替えて集中できていました。
午前中の対戦相手と同様に台湾の選手が相手でしたが、プレースタイルの基本も一緒でハードドライブが持ち味の選手でした。
午前中の試合は中々タイミングが合わず、どこかちぐはぐなスカッシュになっていましたが、この選手の方がショットのクオリティが高かった分やり易かったですね。
1ゲーム目はしっかりと主導権を握り、相手を動かせていたので相手のミスとフォアサイドのドライブで効率的に得点出来ていました。
2ゲーム目に入り、少し杉本選手のミスが目立ちましたが、要所を締めてしっかりゲームをキープします。
3ゲーム目に入る前にミスの修正を話し、その部分をしっかり立て直したことでほぼノーミスの展開から危なげなく明日の準決勝に駒を進めてくれました。
今日で日本選手はメインドローから姿を消してしまいましたが、杉本選手がプレート優勝を目指して頑張ってくれていますので、ほかの選手達と一緒に最後までサポートしていきたいと思います。
 
帯同コーチ 松本淳
 
《5月4日の試合予定》
<女子:Consolation Semifinals>
杉本梨沙 VS Chan Yiwen(MAS)10:00~(11:00)Ct.10
 
※【】内はシード、()の時間は日本時間です。
※試合はマレーシアスカッシュ協会のフェイスブックページ(SRAM)でライブストリーミング配信されてます。
https://www.facebook.com/DLLSports/

在マレーシア日本大使館から栗原恵津子広報文化部長が応援に駆けつけてくださいました

写真提供:マレーシアスカッシュラケット協会

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