公益社団法人 日本スカッシュ協会

ニュース

2019.05.02

ナショナルチーム

アジア選手権個人戦・大会1日目レポート 

今日から開幕した第20回アジア選手権個人戦。
日本人選手は1回戦の為、2回戦からの登場となりました。
 
<男子:Round 2>
机龍之介 bt Mohd Addeen Idrakie(MAS)【13】 3-0(11-3,11-5,11-6)
 
日本選手団のオープングマッチとなった机選手。
対戦相手はPSA88位のAddeen選手で、先週行われたchallenger tourの優勝者です。
試合開始序盤から少し早めのペースでゲームがスタートしますが、立ち上がりでAddeen選手のミスが目立ち一気に主導権を握ることが出来、終始相手よりも前のポジションをキープし効率的に得点出来てました。
2ゲーム目に入り、途中で我慢が必要な長い展開がいくつもあったのですが、そこを冷静に対処出来ていたのがゲーム後半までリードを保てた要因になりました。
しかし、その長いラリーで息の上りが激しくなったのも事実、机選手の表情に少し疲れが見え始めてしまい、相手との我慢比べが想像できる状況でした。
3ゲーム目に入る前にその事も話し合い、再度、このゲームをしっかり取りに行くことを再確認しゲームのスタートから忍耐図良くラリー出来ていたと思います。
中盤、疲れからかショットのクオリティが少し落ちたのと、フロントコートへのアプローチが少し早くなりすぎてしまった分ミスが増えスコアが競る展開となりましたが、表情に疲れをあまり出さないAddeen選手が再度ミスをしてくれたことで逃げ切ることが出来、ベスト16に進出しました。
試合後、現地のレポーターからインタビューを受け、公式HPでもPSA260位の机選手が勝ったことが大きく称賛されています。
しかし、机選手は勝てると思って挑んでいた試合だったので自信を持ってプレーできていましたし、序盤から机選手の方が主導権を握り続けていた試合展開でしたから、客観的に観たとしてもそこまでビックリするような勝利ではなかったと私は思います。
明日は早くも第1シードのGhosal選手(IND)との対戦になりますが、ここに勝ってこそアジアをびっくりさせれると思いますので、やってくれると期待しましょう!
 
<男子:Round 2>
遠藤共峻【16】 bt Park Jongmyeoung(KOR) 3-2(7-11,11-9,8-11,11-7,11-5)
 
渡邉選手と同タイムで始まってしまった遠藤選手の初戦は韓国のPark選手が相手です。
日本では体格が大きい遠藤選手とほぼ同じくらい身長が高く、韓国選手特有のフィジカルが強い選手でした。
1ゲーム目を観ていた机選手の話だと、序盤から体の動きが今一つで中々ゲームのリズムに乗れなかった様で、いつもほどボレーに入れず、全体的にショットも短くなってしまい悪い流れでゲームを失ってしまったそうです。
2ゲーム目に入ってもどこか“ちぐはぐ”な“展開が多く、いつもの遠藤選手らしくTポジションにいる時間を長くつくれない状況が続いてしまっていました。その為、終盤までお互い攻めきれず、ミスも多い展開になりますが何とか要所を締めてタイに持ち込めたのは大きかったです。
3ゲーム目、このゲームでもまだリズムに乗り切れず、所々普段はあまり見かけないショットミスが増えフラストレーションの溜まりそうなゲーム展開で後が無くなりました。
4ゲーム目は、そこまでクロス系のショットが多かった展開からストレート系のショットの比率が増え、徐々にボレーに入る回数も増えたことでポジションで優位に立てるシチュエーションが多く作れていました。ゲーム終盤に少し流れが相手に行きかけましたが、相手のミスもあり逃げ切れたのが最終ゲームに良い流れを呼び込みましたね。
ファイナルゲームに入り、序盤から遠藤選手らしいプレーが少しずつ増えてきてリズムが良くなったのと、相手のペースが明らかに落ちたことでしっかりこのゲームを収めてくれました。
本調子の遠藤選手からしたらお世辞にも良いプレーとは言えない内容でしたが、ゲーム終盤に行くにつれて徐々にゲームコーントロールして試合を勝ち切れる修正能力は流石でした。
明日ですが、遠藤選手の相手は地元マレーシアのYuen選手(第8シード)です。
机選手同様に上位シードの選手との対戦なのでかなりハードな試合を強いられる事が予想されますし、地元の選手言う事で応援も完全アウェーでしょう。
是非、遠藤選手にはYouTubeで見せる華やかなパフォーマンスとパワーで会場の空気を一掃してくれることを期待してます。
 
<女子:Round 2>
渡邉聡美【9】 bt Naushard Issadeen Fathima Fathoum Zelikha(SRI) 3-0(11-4,11-6,11-0)
 
遠藤選手と同タイムで行われた渡邉選手の初戦はスリランカのNaushard選手。
この選手とはアジア大会の初戦でも対戦しており、その際も3-0のストレートで下しています。
昨日、今朝と練習であまり納得のいくフィーリングで打てていなかったのが気になっていましたが、今日の時点では及第点のクオリティだったかなと思います。
もちろん、本人も思っていると思いますが決してベストなフィーリングではなかったと思いますが、今日の試合の内容であれば、渡邉選手がやり易いプレー速度より明らかに相手のペースが遅いので上手くマッチしたショットが逆に打ちづらかったと思うので仕方なかったですね。
2ゲーム目に入り、渡邉選手のドライブに必死に食らいついてくる分、当たり損ねたショットや中途半端すぎるボールが多く出たことでミスが増えてしまったのは勿体なかったですが、しっかりと3ゲーム目に落ち着いてゲームと自分自身をコントロール出来たので全体的に及第点だったと思います。
明日はベスト8をかけて香港のTong選手との対戦です。
今日の相手から一気にレベルが上がり、ショットや展開のスピードが段違いに早くなるのでしっかり準備して挑みたいところです。
明日の朝も時間があるのでしっかりイメージを作って結果を出してもらいましょう。
 
<女子:Round 2>
杉本梨沙【20】 lost to Lai Wen Li(MAS)【12】 1-3(11-8,5-11,7-11,7-11)
 
試合時間が19:30と遅めのスタートで始まった杉本選手の初戦は過去にも対戦したことのある地元マレーシアのLai選手です。
前回の対戦では1-3で負けてしまっていたので今回は結果をひっくり返すつもりで挑みました。
Lai選手はバックコートへの力強いドライブとキレの良いショートドライブが持ち味の選手で、序盤からラリーを積極的にはしてこなく、ルーズボールが出るとショートドライブでラリーを切ってきました。
杉本選手は序盤からしっかりと走れており、相手のリズムの中でも自分のペースを崩さず勝負所で良いショットが打てていました。
日本だと力強いドライブが目立つ杉本選手ですが、海外での試合では寧ろ、最終ゲームまでしっかり走り切れる抜群のスタミナが武器になってます。
その為、1ゲーム目は走りながらリズムがしっかり作れたことで、ドライブの長さもしっかりコントロールできていて相手もかなりやり辛かったと思います。
全体的な主導権は相手にあったにも関わらず競り合いを取り切ったのは地力がついた証です。
2ゲーム目に入り、徐々に相手に動かされ続ける展開が目立ち始めます。
ショットのペースとボールの長さが中途半端になり、ルーズボールを出す展開が増え、ショートドライブやドロップで失点するシチュエーションが多くなってしまいました。
ラリー自体は良くできているのですが、ラリー数が増えると同時に少しずつ相手より遅れはじめ、余計に動きのスピードを殺されてしまったのが痛かったです。
3ゲーム目は遠藤選手のアドバイスもあり、ドライブ長さと自分から積極的に仕掛けていこうと展開を再考しスタートしました。
2ゲーム目よりも自分から得点していくケースが増え、前のゲームより明らかに展開が良くなりましたがゲーム終盤に3連続で安易なリカバリーミスが出てしまい勿体ない失い方でした。
4ゲーム目に入る前も再度、遠藤選手から3ゲーム目の展開を再確認し、ゲーム序盤からしっかり長さをコントロール出来ていたと思いますし、取られた3ゲームの中では一番いい内容だったと思います。
しかし、終盤に簡単なボールの処理をミスってしまったりしたのが勝敗に大きく関わってしまい本当に勿体ない試合でした。
アジア選手権に出てくる選手のレベルでそういった安易なミスはたった1本でも致命傷になる可能性が高く、こういった細かいところをいかに高いクオリティできるかが今後の課題に感じました。
杉本選手は今後プレート戦に回ることになりますが、明日は試合が無く明後日から再スタートなので気持ちも新たに挑んで欲しいと思います。
 
帯同コーチ 松本淳
 
《5月2日の試合予定》
<男子:Third Round>
机龍之介 VS Saurav Ghosal(IND)【1】 17:15~(18:15~)Ct.7
遠藤共峻【16】 VS Yuen Chee Wern(MAS)【8】 15:45~(16:45~)Ct.6
 
<女子:Third Round>
渡邉聡美【9】 VS Tong Tsz Wing【8】(HKG) 16:30~(17:30~)Ct.10
 
※【】内はシード、()の時間は日本時間です。
※試合はマレーシアスカッシュ協会のフェイスブックページ(SRAM)でライブストリーミング配信されてます。
https://www.facebook.com/DLLSports/

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